考えていること
建てたいというお施主さんがいて、設計士が白紙に絵を描き、
大工さんが、左官屋さんが、電気屋さんが、水道屋さんが等々、
多くの職人さんの手を借りて、家の形が出来上がります。

そして、お施主さんがその中に住んで、生活の色、匂いを付けて、
初めて住まい(住み処)となります。

手触り、足触りを大切に、室内は木・漆喰・珪藻土などの
自然素材をふんだんに使った素足感覚の住まいづくりを心がけてきました。
光と風がたわむれるだけではなく、明と陰をバランスよく取り入れた空間づくりをしたいと思っています。
<神奈川新聞に2000年に連載した 「住まいのイロハ 51回」 記事より>
人にも住まいにも風通しよく   ('00.5.28vol.21)
暑さ、寒さをしのぐことは家の基本的な機能です。優れた断熱材や冷暖房の設備がなかった時代には、深いひさしで夏の強い日差しを防ぎ、広い開口部で冬の暖かい日差しを取り入れました。
「家は夏を旨とすべし」と言う言葉があるように、日本には風通しを考えた、季節感溢れる開放的な住まい作りの伝統があるのです。

けれども現在の住宅地では軒と軒とが接して、外に開いた家づくりはなかなか難しくなりました。庭の梢を風が揺るがす余裕のある敷地も少なくなり、プライバシーのために家を閉じ、閉じることによってエアコンが普及し、ますます外気との隔たりが助長されています。

日本の気候は寝付かれない熱帯夜の続く8月、木枯らし吹く大寒の1月ばかりではありません。春の暖かな光、秋のすがすがしい風もあることをもっと考えてください。

外気との接点は、広い庭とのつながりだけではありません。どんなに狭い敷地でも、その上空は無限に広がっています。空は、都市の中にあっても風の流れを感じことが出来る所です。

例えば、スノコ張りにした中庭に空を包み込み、太陽の動きや月の明かりを追うのも楽しいものです。光と風を呼び込み、自然の恵みを感じる住まいづくりを心がけたいものです。
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設計料ってなに?   ('00.8.27vol.34)
ハウスメーカーから家を買う人が圧倒的に多い中、わざわざ予算を別にして設計料を考える人は、よほどのお金持ちか特別な人と見られがちです。設計料って確認申請代、図面作成費だけなのでしょうか。

工事する人にとっても家の構造、規模がわかる図面が必要です。しかし、その図面は住む人の要望を整理、調整して描かれた図面なのか、そこが大きな問題です。

一生に一度の家づくり。

何坪の家を建てるかではなく、どんな住まいを造るかが大事です。家にいっぱい夢を盛り込もうと、あれもこれもと思うあなたが、自ら整理し調整するのは大変難しいことです。

設計者はその家族なり、その人となりを見て、客観的に判断し、予算が足りるか、法律的に認可されるか、構造的にどうかなど経験や専門知識を積み込んで、整理し、まとめてくれます。

いわばあなたと一緒に考えてくれるパートナーなのです。大事な調整役を依頼するわけですから、それに応じた費用がかかります。それが設計料なのです。

それは標準プラン、標準設計とは違うあなたの満足する楽しい家造りのための必要経費です。

気になる値段ですが、一般的には工事監理費まで含めて工事費の10%前後です。
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家は住み継ぐ気持ちで造るもの   ('00.11.19 vol.46)
築20年から30年すると、家族構成が変わったり生活スタイルに変化が生じたりして、家もそれに合わせて根本的な手直しをしたくなります。大々的なリフォームをしようか、それとも思い切って立て替えてしまおうかなどと思い悩み始めます。

最近の日本の家は、直すより新しく造った方が安いと言われ、簡単に立て替えられてしまっています。しかしここでちょっと考えてみてください。

家には家族の良き思い出、愛着、慣れ親しんだ生活空間があります。全てを新しく取り替えることだけが解決策ではありません。特に年齢の高い人にとって、新しさとのギャップや戸惑いはストレスにもなりかねません。

住まいづくりはその家族の生活の延長線上にあるもの、家族の歴史や文化をつなぐものです。それが立て替えでより充実できるのか、リフォームして大事に修復した方がよいのか、その判断がとても大切です。

リフォームで済ますなら、わざわざ建築家に設計を頼まなくてもと思うでしょうが、建物の傷み具合を調査したり、費用とのバランスを考えたり、様々な作業があります。

立て替えるときは、今の家族のことだけを考えた間取りにこだわらないように。人間よりも建物の寿命の方が長いのが当たり前と考えて、将来のリフォームに耐えうる、しっかりとした骨格を持つ家づくりを心がけるべきです。
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